横浜のZAIMギャラリーで6月14日(日)まで行われている竹本真紀個展「記憶の庭」を観ました。
ギャラリースペースは広くないからかもしれませんが、展示は慎ましく思えました。しかし、この個展を堪能するコツは、なるべく長く滞在することなのかもしれない。と感じました。
空間を共有する時間に比例して、愉しみが増すように感じました。そして、誰と行ったか?隣の事務スペースに誰が出入したか?ドアの向こうの廊下を誰が通り過ぎたか?などにも、鑑賞が影響されることで「記憶」の何かが揺らいでいきます。
竹本さんが表現する世界は、鑑賞者の内面にしとしとと滲み込んでくるように思います。頭をバットで殴られるような衝撃や、内臓に手を突っ込まれて掻き回されるような感覚は覚えませんが、それ故に用心しなければならないかもしれません。
なぜなら、いつから竹本世界にのめりこんだか、こちらの自覚に自信をもてないからです。気がついたときには、もう手遅れかもしれません。もちろん、これらは褒め言葉です。今になって思うのですが、トビヲちゃんは竹本さん自身だったのだろう、と。鉄腕アトムの名前と同じなことに気を取られていました。