満月の海

ブログ

kusuda

アートラインかしわ2008の最後を飾るに相応しい展示が25日から始まりました。美しいタイトルが醸し出すイメージと溶け合う展示です。

30日まで。場所はサンサン通りのP&P2階。12時から19時までです。

木地を用いない漆芸は軽やかでたおやかです。ぼくは輪島塗や浄法寺塗などに馴染みがありますが、楠田さんの作品を目にすると浄法寺塗りはともかく、輪島塗でさえ厚みの力を感じます。
 楠田さんが作り出す世界は、漆器から厚みを解放したかのようです。「満月の海」にたゆたうのは、漆器の中に灯された小さな明かりばかりではないでしょう。彼女の作品にでくわした方は、凪いだ海面を照らす月の明かりを目指して小舟を漕ぎ出すことでしょう。少し沖に出て、満月を見上げてください。