久しぶりのブログ更新。広報担当、山下です。
3月に入り、今年初の会議も行われてアートライン2009が始動しました!
はたして今年はどのようなイベント、展示が行われるのか楽しみです。
そんな中、アートラインのメーリングリストが、やたらと盛り上がっています。
実行委員の方々が、たくさんのアートイベントに足を運び、
その感想や、内容をメーリングリストであーだ、こーだと飛びかわしているわけです。
その中からフェスティバル/トーキョーのサンシャイン63とHey Girl!に行った様子のメールを掲載してみます。
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まずは「サンシャイン63」なる池袋版ワクトコツアー豪華版(?)。

平日昼間からツアーに参加する不良中年3人組みは一人4000円を払い、
いかにもアート演劇系の2人の若き女性とともに指示書に従いイケブクロの街を彷徨い歩く。

指示書に従って歩いてると、場末(?)のラブホテルにたどりついた。
何の恥じらいもなく入口に向かう不良中年と若干顔を赤らめながら、それに
続く若き女性。
にくい演出である。ポイント1。
何と若き女性はラブホの部屋に傘を忘れてきてしまった。

指示はペーパーだけでなく、FM電波を使ってラジオで聞くポイントもある。
指示に耳を傾け、言われるがまま後ろを振り向くとそこには黒塗りのハイヤー
が1台。
これまたにくい演出。不良中年3人は完全にやられてしまった。

肝心の内容はというと。
巣鴨プリズン跡地に建つサンシャイン60をめぐる戦後の歴史をたどるもの。
ラジオ係の私は、ブクロの街で無邪気にはしゃぐ4人(失礼)をよそにラジオ
から流れる地元の方々の話に耳を傾け、重いテーマについて一人思慮するので
あった。
イケブクロは何度も行ってますが、昨日のイケブクロは初めて旅する街でした。
点在するお寺などの都市の記憶をたどっていき、住職等の話をラジオで聞いて
いると、今まで持ってた猥雑なイメージのイケブクロとは完全に異なる街の側面
が見えてきました。建築デザインとしては最低なサンシャイン60も実はプリズンの
モニュメントであり、夜間のオフィスの照明は「弔いの明かり」なのだそうだ。
なるほど。

今後、イケブクロを訪れる際、この街に対していい意味で深い味わいを感じる
ことになりそうだ。
街の宣伝効果も高い、非常に深いツアーでした。
次にイタリア人演出家ロメオ・カステルッチによる「Hey Girl!」。
場所は西巣鴨駅近くにある廃校になった中学校体育館を転用した特設劇場。
完全に照明が落ち、霧につつまれた舞台に明かりが射し、若く美しいイタリア人
女性が生誕のシーンを演じる。当然、全裸。つかみはOK。
タイトルにある通り、少女(女性)の生の深淵に迫るテーマでしたが、女性の
というよりは「人間の生」がテーマになっているように感じました。
「生まれてしまった悲しみ」、「偽善」、「表層の無意味さ」、「人生の不条理」
が圧倒的な美しさで表現されていました。
簡素な舞台装置にもかかわらず、見る者を圧倒する美が演出家によりつくりだされ
ていました。最前列から見てもその美しさは強烈でした。
今日になって様々なシーンがフラッシュバックしてきます。
児島さんのおっしゃる通り、わからないところが面白いという作品を久々に観まし
た。
但し、そこには見る者を圧倒する美の世界がありました。
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